はじめに 「発達障害の人は精神的に幼い」と見える理由は、実は多くが脳の発達のアンバランスさや環境との相互作用にあります。以下にわかりやすく解説します。 ⸻ ■ 1. 脳の発達のアンバランス...
発達障害はモチベーションが無いと動けない理由は?
はじめに
発達障害の人に「目的思考(目的志向)」が多いように見える理由には、いくつかの心理的・認知的な特徴が関係しています。ここでいう「目的思考」とは、「目的がないと動けない」「理由がないと行動しない」といった傾向を指しているのだと思いますが、その前提で解説しますね。
⸻
発達障害の人に目的思考が強く見える理由
1. ワーキングメモリの弱さ(特にADHD)
• 「なんとなく動く」ためには、同時に複数の情報を頭に置いておく必要がありますが、ワーキングメモリが弱いとそれが苦手です。
• 目的が明確であることで、脳の負担が軽くなり、動きやすくなります。
2. 曖昧な状況が苦手(ASDやADHDに共通)
• 「何をすればいいかよくわからない」状況に不安や混乱を感じやすい。
• そのため、「これを達成すればいい」という目的がはっきりしていると、安心して行動できる。
3. モチベーションのスイッチが「報酬」や「意味」に依存しやすい
• ADHDの人は「報酬系(ドーパミン系)」の働きが独特で、興味のないことに対してモチベーションを保ちにくい。
• 逆に、「これは〇〇のためになる」「これをやると〇〇が手に入る」といった明確な目的があれば集中できる。
4. 「目的=安心」「理由=納得」という思考スタイル
• 「なんのためにやるのか」がわからないと、不安や混乱を感じやすい特性があります(特にASDの人)。
• 明確な理由や目的があることで、行動に納得感が持て、見通しも立てやすくなります。
⸻
補足:定型発達との違い
定型発達の人は「なんとなく」「みんながやっているから」でも行動できることが多いのに対し、発達障害の人は「目的がないと意味を見出せない」ために行動に移りづらい傾向があるのです。