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企業が障害当事者コミュニティとつながる意義

はじめに

企業の障害者雇用担当者が、当事者コミュニティや自助会のイベントに参加することで得られるメリットは大きく、以下のような観点から実践的な効果があります。



■ 企業担当者が当事者コミュニティに参加するメリット

 
1. 当事者のリアルな声を直接聞ける
 • 「配慮してほしいこと」「就労で困っていること」「企業への本音」など、**支援機関を通さない”生の声”**を知ることができる。
 • 本人が語る「うまくいった事例」や「離職理由」から、雇用現場での改善点が見える。

→ 支援者を介さない本音が、職場づくりに役立ちます。



2. 障害特性の理解が深まる
 • ADHD・ASD・聴覚障害・双極性障害など、特性ごとに「働きやすさの工夫」は異なる。
 • 同じ診断名でも個人差があること、就労にどう影響するかを体感的に学べる。

→ 書籍や研修よりも深く理解でき、実務に活かせる。



3. 採用につながる出会いの場になることもある

 • 就職活動中の方や、転職を考えている人に直接出会える機会になる。
 • 「この企業、話しやすかった」と思ってもらえると、自然な応募動機につながる。

→ 当事者にとって「顔が見える企業」は安心感があります。



4. 信頼を得ることで支援者からの紹介がスムーズになる
 • 当事者やコミュニティ内で「この会社は話が通じる」と評判が立つと、支援機関からの紹介も受けやすくなる。
 • 信頼ある企業の求人は、利用者からも選ばれやすくなります。



5. 社内研修やダイバーシティ施策に活かせる

 • イベントで得た具体的な話は、社内の理解促進研修や配慮体制の整備にも使える。
 • 「当事者が言っていた声」をそのまま社内で共有でき、上司・同僚の意識変容にもつながる。



■ 参加の際のポイント

 • 「雇うために来ました」ではなく、「学びに来ました」という姿勢が大切
 • 発言は控えめにし、まずは聞き手に徹するのが良い
 • 終了後の感想や気づきをSNSやブログ等で共有すると、コミュニティとのつながりも深まりやすい



■ こんなイベントから始めてみるのがおすすめ
 • 発達障害・精神障害の当事者会・交流会・勉強会
 • オンライン開催のピアミーティングや座談会
 • 支援機関・NPOが主催する**「企業×当事者」型イベント**




企業が「机上の配慮」ではなく、「当事者の実感」に基づいて環境整備を進めるには、
当事者と直接ふれる機会は欠かせないピースです。
実際、障害者雇用で成果を上げている企業は、何らかの形で当事者と定期的に関わる仕組みを持っています。