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飲食店チェーンの障害者雇用で店舗スタッフ以外の業務で切り出し可能か?

はじめに

飲食チェーンが、店舗以外の業務で発達障害者中心の障害者雇用部門を立ち上げたいという場合、業務内容の切り出し方と人員配置の工夫次第で、非常に実現性の高いモデルが作れます。

発達障害の特性(注意の偏り、こだわり、感覚過敏、マルチタスクの困難さ等)を踏まえた上で、以下のような業務・役割が有望です。



【1】本部・店舗支援のバックオフィス業務

● データ入力・集計作業(例:売上、勤怠、仕入、棚卸し)
 • Excelでの定型入力や帳票の整理
 • 作業手順を明文化し、反復処理に向いた方に適している

● 掃除用具・事務用品などの備品管理
 • 発注・在庫管理・リスト作成など
 • 一人でも集中してできる作業。数や規格のチェックが得意な方に向く

● マニュアル・ポップ・チェックリストなどの作成補助
 • デザインではなく、既存テンプレに沿った作業であれば適応しやすい
 • 簡単なPCスキルがあれば可能



【2】デジタル支援業務(PCが得意な方向け)



● メニュー写真・SNS素材の加工や投稿補助
 • Canvaや簡易画像編集アプリを使って定型作業を担当
 • 一部のASD傾向の方が得意とする領域

● 店舗のレビュー分析(Google Maps、食べログ等)
 • レビューの抽出と分類(ポジティブ/ネガティブ要素)
 • 表形式にまとめてレポートとして提出
 • 数字やパターンを読み取るのが得意な方に最適



【3】物流・軽作業系



● 制服や販促物の仕分け・発送
 • セントラルオフィスや倉庫で行える軽作業
 • 一人で黙々とでき、構造化しやすい

● アンケート用紙の封入・配送補助など



【4】定型ルーティンワーク系


● 本社の清掃・整理整頓・観葉植物の水やり等
 • 決まった手順と時間帯で、感覚刺激が少ない業務
 • 作業が「見える化」しやすいので達成感を感じやすい



【組織モデルの例】


 • 障害者雇用支援チームを本部内に設置(責任者1名+障害者スタッフ5名)
 • 支援員や外部コンサルが定期的にフォローし、個別配慮を導入
 • 可能であればジョブコーチまたはOJT担当を1名置く



【運用上のポイント】

 • 定型化・見える化された業務に絞る
 • 口頭指示よりも「チェックリスト・フローチャート」ベースの指示
 • WIP制限(同時作業数の制限)を明確にして集中しやすく
 • 得意なスキルの「見える化」を早期に行う(例:PCが得意、数字が得意など)