はじめに 企業の障害者雇用担当者が、当事者コミュニティや自助会のイベントに参加することで得られるメリットは大きく、以下のような観点から実践的な効果があります。 ⸻ ■...
トマト農園で障がい者雇用を行う
はじめに
トマト農園での障害者雇用は、とても良い取り組みですね。農業は自然と触れ合いながらできる作業が多く、障害特性に合わせた業務設計がしやすい分野でもあります。以下、障害の種類別に向いている業務と配慮のポイントを「どのような障害者に、どのような業務をお任せするか」という視点でまとめます。
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【身体障害のある方】
主に肢体不自由(下肢・上肢など)
向いている業務例:
• 座ってできる作業(種の選別・袋詰め・出荷ラベル貼りなど)
• パソコン入力や帳票管理(事務系)
• 軽作業のサポート(ビニールハウス内の温度管理装置の操作など)
配慮点:
• バリアフリーな作業場(段差解消・トイレの整備)
• 車いす対応の作業台や通路の確保
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【知的障害のある方】
向いている業務例:
• 繰り返しの多い作業(収穫したトマトの選別・袋詰め・シール貼りなど)
• 育成中のトマトの水やり・葉かき(丁寧な指導があれば対応可能)
• 清掃などルーティン作業
配慮点:
• 手順を可視化(写真やイラストで)
• 毎日の作業をルーチン化し、安定した指導者を配置
• 作業のペースを本人に合わせて調整
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【精神障害のある方】
向いている業務例:
• 一人で集中できる作業(収穫、袋詰めなど)
• 午前だけ・午後だけといった短時間勤務
• 温度・湿度の安定したハウス内での作業
配慮点:
• 突発的な作業変更を避ける
• ストレスを感じにくい静かな環境
• 定期的なメンタルケアや相談の場を設ける
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【発達障害(ASD・ADHDなど)のある方】
向いている業務例:
• 視覚的に整理された作業(トマトの選別・品種ごとの仕分け)
• 細かい工程が得意な方には芽かきや誘引なども可能
• 忘れやすさに配慮して、手順が明確な作業
配慮点:
• 作業手順をマニュアル化・見える化
• コミュニケーションの工夫(あいまいな指示を避ける)
• こだわりが強い方には同じ作業を安定して任せるのが◎
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【聴覚障害のある方】
向いている業務例:
• 指示が視覚で伝えられる作業全般(収穫・出荷準備など)
• 静かな環境で集中する作業
配慮点:
• 筆談・手話・指差しなど視覚的なコミュニケーションの工夫
• 緊急時の対応(フラッシュライトや振動など)
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必要に応じて、ジョブコーチの導入や、トライアル雇用を活用してみるのもおすすめです。農福連携(農業×福祉)の成功事例も豊富なので、地域の就労支援機関と連携して進めるのが成功の鍵です。
もし、農園の規模や作業工程の詳細が分かれば、もっと具体的な業務分担例もご提案できますよ。ご希望があれば教えてください。