はじめに 発達障害の「重さ」に差が生まれる要因は、遺伝的要因と環境要因の相互作用によるものと考えられます。具体的には、以下のような要因が影響している可能性があります。 1. 生物学的・遺伝的要因...
発達障害が障害年金を受給する方法
はじめに
発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)でも、障害年金を受給できる可能性があります。ただし、いくつかの受給条件を満たす必要があります。本記事では、障害年金を受給するための条件や申請のポイントについて詳しく解説します。
1. 障害年金の種類
障害年金には、以下の2種類があります。
障害基礎年金(国民年金加入者向け・主に20歳前後で発症した場合)
障害厚生年金(厚生年金加入者向け・会社員時代に発症した場合)
障害基礎年金は2級までの支給ですが、障害厚生年金は3級まで認定される可能性があります。
2. 受給するための主な条件
発達障害で障害年金を受け取るには、以下の条件を満たしている必要があります。
① 障害の程度(等級)
発達障害による日常生活や仕事への支障が大きい場合、障害年金の対象になります。
主な認定基準(等級)
1級:日常生活がほぼ自立できない(常時の介助が必要)
2級:日常生活に大きな制限がある(就労が困難、社会生活が難しい)
3級(厚生年金のみ):労働に著しい制限がある(簡単な仕事はできるが継続は困難)
ポイント
「診断名」ではなく、「日常生活や仕事への影響度合い」で判断される
発達障害単独では受給が難しいこともあるが、うつ病や不安障害を併発している場合は認定されやすい
② 初診日が国民年金 or 厚生年金加入中であること
発達障害の場合、成人後に診断されることが多いため、「いつから症状があったか」が重要です。
初診日とは? → 初めて病院を受診した日(診断された日ではない)
初診日が国民年金加入中なら障害基礎年金、厚生年金加入中なら障害厚生年金の対象
③ 保険料の納付要件を満たしていること
障害年金を受け取るには、一定期間、年金保険料を納めていることが条件になります。
原則として、初診日の前々月までの「直近1年間」に未納がないこと
または、20歳以降の加入期間の2/3以上の期間で保険料を納めていること
※ 20歳前に発症した場合は保険料納付要件は不要(無拠出型)
3. 障害年金を申請する流れ
病院で診断書をもらう(障害年金用の診断書を書いてもらう)
初診日の証明を取得する(カルテや受診履歴など)
病歴・就労状況等申立書を作成(日常生活での困難さを具体的に書く)
年金事務所や市区町村役場に申請する
※審査には数カ月かかるため、早めに準備を進めることが大切です。
4. 申請のポイントと注意点
診断書や申立書は「できないこと」を具体的に書く(できることだけを書くと認定されにくい)
主治医に「日常生活の困難さ」を正しく伝える(医師が年金の基準を知らない場合も多い)
社会保険労務士に相談するのも有効(書類作成や審査対応をサポートしてくれる)
5. まとめ:発達障害で障害年金を受給するには?
✔ 障害の程度が重く、日常生活や就労に大きな支障があることが必要✔ 初診日が年金加入中であることが条件✔ 一定の年金保険料を納めていることが必要(20歳前発症は不要)✔ 診断書・病歴申立書をしっかり準備して申請することが重要
発達障害でも、日常生活や就労が困難であれば障害年金を受給できる可能性があります。申請を考えている場合は、早めに主治医や年金事務所に相談しましょう。