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発達障害人材採用におけるIQ検査の活用(農業編)

はじめに


発達障害の方を農業で雇用する際、**WAIS(ウェクスラー成人知能検査)**の結果を活用して適性を判断する方法を説明します。農業では、畑作業・収穫・出荷作業・機械操作などが求められるため、WAISの各指標をもとに、強みと課題を分析することが重要です。

WAISの指標ごとの評価と適性

1. 言語理解指標(VCI)

➡ 言語による指示の理解力や表現力を示す

得意な場合

マニュアルや指示を正しく理解できる

作業の流れを口頭で説明できる

農産物の販売や接客対応ができる

苦手な場合

言葉による説明や指示の理解が苦手

作業内容を口頭で伝えるのが難しい

口頭での指示よりも視覚的なマニュアルの方が理解しやすい

活かし方

VCIが高い場合は農産物の販売・指導者役に適性がある

低い場合は視覚的なマニュアルを活用した作業が向いている

2. 知覚推理指標(PRI)


➡ 空間認識能力や作業手順の理解を示す

得意な場合

作物の植え方や配置を考えるのが得意

機械操作や収穫作業がスムーズ

効率的な作業手順を見つけるのが得意

苦手な場合

作業の手順を覚えるのに時間がかかる

設備や農具の使い方を理解するのが苦手

活かし方

PRIが高い場合は機械操作・設備管理・農業プランニング向き

低い場合はルーチン化された単純作業(収穫・仕分け)に適している

3. ワーキングメモリー指標(WMI)


➡ 短期記憶や作業の効率を示す

得意な場合

指示を一度聞くだけで作業ができる

複数の工程を同時に管理できる

収穫量や作業計画を適切に管理できる

苦手な場合

作業手順をすぐに忘れてしまう

一度に複数の作業をこなすのが難しい

こまめな確認が必要

活かし方

WMIが高い場合は農場管理・収穫スケジュール管理向き

低い場合は単純作業(収穫・梱包)に適している

4. 処理速度指標(PSI)


➡ 単純作業のスピードや正確性を示す

得意な場合

収穫や仕分け作業を素早く行える

梱包作業やラベル貼りがスムーズ

天候や状況の変化に素早く対応できる

苦手な場合

作業が遅く、時間がかかる

変化に対応するのが苦手

迅速な判断が求められる作業にストレスを感じる

活かし方

PSIが高い場合は収穫・仕分け・梱包作業に適している

低い場合はゆっくり作業できる環境(育苗・観察作業など)が向いている

WAIS結果を活用した職務設計の例

VCIが高い➡ 農産物の販売・指導業務に向いている

PRIが高い➡ 機械操作・設備管理・農業計画に向いている

WMIが高い➡ 収穫スケジュール管理・マルチタスク業務に向いている

PSIが高い➡ 収穫・仕分け・梱包作業に向いている

発達障害の方を農業で雇用する際は、得意な作業に集中できる環境を整え、苦手な部分を補う工夫をすることが重要です。