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発達障害人材採用におけるIQ検査の活用(医療機関編)

はじめに


発達障害の方を医療機関で雇用する際、**WAIS(ウェクスラー成人知能検査)**の結果を活用して適性を判断する方法を説明します。医療業界では、受付・医療事務・検査技師・看護補助・医療機器管理などの業務が求められるため、WAISの各指標をもとに、強みと課題を分析することが重要です。

WAISの指標ごとの評価と適性

1. 言語理解指標(VCI)


➡ 医療用語の理解力やコミュニケーション能力を示す

得意な場合

医師や看護師の指示を正確に理解し、対応できる

患者さんへの説明が分かりやすく、受付や相談業務に適性がある

医療文書の読解や作成がスムーズ

苦手な場合

医療用語の理解に時間がかかる

口頭指示よりも、書面での指示の方が分かりやすい

コミュニケーション業務が負担になることがある

活かし方

VCIが高い場合は医療事務・受付・患者対応業務に適性がある

低い場合は視覚的なマニュアルやリスト化された指示がある業務が向いている

2. 知覚推理指標(PRI)


➡ 機器の操作や検査技術の理解を示す

得意な場合

医療機器の操作や検査手順を素早く覚えられる

画像診断や検査データのパターン認識が得意

手順を論理的に組み立てる作業に向いている

苦手な場合

複雑な手順の理解に時間がかかる

目視での判断や空間把握が苦手

設計よりも決められたマニュアル作業の方が得意

活かし方

PRIが高い場合は検査技師・医療機器管理・放射線技師に向いている

低い場合は決められた流れのある業務(事務・補助業務)向き

3. ワーキングメモリー指標(WMI)


➡ 作業の正確さや医療記録の管理能力を示す

得意な場合

複数の患者情報を短時間で処理できる

事務処理や医療記録の管理が得意

指示を記憶しながら臨機応変に対応できる

苦手な場合

一度に多くの情報を処理すると混乱する

記録ミスを防ぐためにメモやチェックリストが必要

ルーチン業務の方が得意

活かし方

WMIが高い場合は医療事務・カルテ管理・受付業務に向いている

低い場合はマニュアル化された補助業務(器具の消毒・検査補助)向き

4. 処理速度指標(PSI)


➡ 迅速な対応や反復作業のスピードを示す

得意な場合

受付業務や書類処理を迅速にこなせる

看護補助や検査補助のスピードが速い

正確性を保ちながら迅速に業務を遂行できる

苦手な場合

作業ペースが遅く、急ぎの対応が負担になる

締め切りがある業務にストレスを感じる

丁寧さを重視しすぎて時間がかかる

活かし方

PSIが高い場合は受付・書類処理・検査補助業務に向いている

低い場合は時間をかけられる事務作業や器具管理業務が適している

WAIS結果を活用した職務設計の例

VCIが高い➡ 患者対応・受付・相談業務・医療事務向き

PRIが高い➡ 医療機器管理・検査技師・放射線技師向き

WMIが高い➡ カルテ管理・受付業務・情報処理向き

PSIが高い➡ 迅速な事務処理・検査補助業務向き

発達障害の方を医療機関で雇用する際は、個々の能力を活かし、適切なサポートを提供することが重要です。