はじめに...
発達障害人材採用におけるIQ検査の活用(テーマパーク編)
はじめに
発達障害の方をテーマパークで雇用する際、**WAIS(ウェクスラー成人知能検査)**の結果を活用して適性を判断する方法を説明します。テーマパークでは、接客・清掃・アトラクション運営・案内業務などが求められるため、WAISの各指標をもとに、強みと課題を分析することが重要です。
WAISの指標ごとの評価と適性
1. 言語理解指標(VCI)
➡ 文章の理解力・言語表現力・知識量を示す
得意な場合
お客様対応や案内業務が得意
正しい敬語を使い、わかりやすく説明できる
アナウンス業務やガイド業務に向いている
苦手な場合
言葉で説明することが苦手
お客様からの質問対応が難しい
コミュニケーションに不安がある
活かし方
VCIが高い場合は接客や案内業務に適性がある
低い場合は清掃や裏方業務を中心に担当
2. 知覚推理指標(PRI)
➡ 図やパターン認識、論理的思考を示す
得意な場合
アトラクションの操作や機械の扱いが得意
ショーやイベントの準備・運営に向いている
施設のレイアウトや設備の管理が得意
苦手な場合
新しい機械の操作を覚えるのが難しい
アトラクションの安全管理が苦手
空間認識が苦手で動線を考えるのが難しい
活かし方
PRIが高い場合はアトラクション運営や設備管理向き
低い場合は単純作業や清掃業務が向いている
3. ワーキングメモリー指標(WMI)
➡ 短期記憶・作業の効率を示す
得意な場合
接客やアトラクションの運営をスムーズに行える
複数の業務を並行して対応できる
シフト管理やスタッフ間の調整が得意
苦手な場合
業務の流れを忘れやすい
複数の指示を同時にこなすのが苦手
仕事内容を逐一確認する必要がある
活かし方
WMIが高い場合は接客やマルチタスク業務向き
低い場合は単純作業や補助業務に向いている
4. 処理速度指標(PSI)
➡ 単純作業の速さや正確さを示す
得意な場合
レジ業務やチケット確認を素早く行える
清掃や補充業務をスピーディーにこなせる
お客様の誘導や整理がスムーズにできる
苦手な場合
作業が遅く、混雑時の対応が難しい
レジ業務や計算作業に時間がかかる
繁忙期のスピード感に対応しづらい
活かし方
PSIが高い場合は接客やレジ業務、清掃に向いている
低い場合は落ち着いた業務(バックヤード業務など)を担当させる
WAIS結果を活用した職務設計の例
VCIが高い➡ 案内業務・アナウンス業務に向いている
PRIが高い➡ アトラクションの操作や設備管理に向いている
WMIが高い➡ 接客やマルチタスク業務に向いている
PSIが高い➡ レジ業務・清掃業務に向いている
発達障害の方をテーマパークで雇用する際は、強みを活かせる職務を設計し、苦手な業務を補う工夫をすることが重要です。