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就労継続支援A型事業所が大量閉鎖のわけ

はじめに

障害者就労継続支援A型事業所が最近減少している理由はいくつかあります。主な要因として、以下の点が挙げられます。

1. 厚生労働省による基準の厳格化


2018年頃から、厚生労働省がA型事業所に対する指導を強化し、以下のような基準を厳格化しました。
 • 最低賃金の遵守
A型事業所は利用者に最低賃金を支払う必要がありますが、一部の事業所ではその基準を満たせない状況がありました。
 • 経営状況の審査強化
事業所の経営が持続可能かどうか、収益モデルの健全性が厳しくチェックされるようになりました。赤字経営の事業所は運営が困難になり、閉鎖が相次ぎました。

2. 人件費の増加と経営の圧迫


A型事業所は利用者に最低賃金を支払いながら、事業として利益を上げる必要があります。しかし、以下の要因で経営が難しくなっています。
 • 最低賃金の引き上げ(特に地方では負担が大きい)
 • 人材確保の困難(支援員や職業指導員の確保が難しい)
 • 物価・光熱費の高騰(特に製造業系のA型事業所には大きな影響)

3. 収益性の低い業種が多い


A型事業所は、飲食、清掃、軽作業などの業種が多く、利益率が低い傾向があります。大手企業との競争やコロナ禍による需要減少により、収益が悪化した事業所が増えました。

4. 自治体の補助金カットや指導強化

一部の自治体では、不適切な運営を行っていた事業所に対して補助金を削減したり、閉鎖を命じたりするケースがありました。特に、利用者の労働環境が適切でない事業所への監査が強化されています。

5. B型や一般就労支援へのシフト


A型事業所が厳しくなる一方で、就労継続支援B型(工賃制で最低賃金の支払い義務なし)や、一般就労を目指す就労移行支援へシフトする流れが一部で見られます。

まとめ


A型事業所の減少は、最低賃金の引き上げ、経営基準の厳格化、収益性の低さ、自治体の補助削減などが複合的に影響しています。今後、経営の安定化を図るためには、より収益性の高い事業モデルの構築や、行政と連携した支援策の強化が求められます。