はじめに...
ADHD営業マンが入社間もなく苦戦する事と対策
はじめに
ADHDの特性を持つ人が、営業職として就職する場合、特に「仕事を覚える」「独り立ちする」過程でいくつかの障壁やエラーが発生しやすくなります。
発生しやすいエラー・障壁と克服の工夫
① 業務の手順やルールを覚えられない(忘れる・混乱する)
事例:
• 研修やOJTで学んだ営業プロセスをすぐに忘れ、同じことを何度も聞いてしまう。
• 社内の業務フロー(報告ルールや事務処理)を覚えられず、ミスが増える。
克服の工夫:
• 業務マニュアルを自作する
• 会社のマニュアルがあればそれを活用し、なければ自分なりの「営業フロー」をノートやデジタルツール(Notion, Google Keep など)に整理する。
• 「1. アポ取得 → 2. 商談 → 3. 提案資料作成 → 4. 見積書提出」など、一連の流れを視覚化する。
• ルールは「チェックリスト化」して確認する習慣をつける
• 例えば、営業の報告業務が「日報提出 → CRM更新 → 上司へ共有」なら、それをToDoリストに毎日入れておく。
• 録音・メモを活用する
• 研修や商談の説明はボイスメモで録音し、後で聞き返す。
• メモは箇条書きで整理し、重要なポイントだけに絞る
② マルチタスクが求められると混乱する
事例:
• クライアント対応、上司への報告、見積書作成などが同時に発生すると、どれから手をつけるべきか分からなくなる。
• 1つの業務に集中しすぎて、他の業務を後回しにしてしまう。
克服の工夫:
• 「タスクの優先順位」を可視化する
• 「重要度×緊急度マトリクス」を作成し、タスクの整理をする(例:重要かつ緊急なタスクから先に取り組む)。
• 1日の始まりに「今日の最優先タスク3つ」を決める。
• ポモドーロ・テクニックを活用
• 25分集中+5分休憩のサイクルで作業し、一つのタスクに集中する時間を作る。
• 「次にやること」を常にメモしておく
• 仕事の途中で話しかけられても、メモに「次にやること」を書いておけば混乱しにくい。
③ コミュニケーションの抜け漏れが発生する
事例:
• クライアントや上司からの指示を忘れてしまい、対応が遅れる。
• 商談の際、話が脱線しやすく、要点を伝え損ねる。
克服の工夫:
• 指示は「復唱+メモ」で確認する
• 「〇〇を〇日までに提出ですね?」と口頭で確認し、その場でメモを取る。
• 可能なら「メールやチャットで確認を送る」ことで記録を残す。
• 商談では「話す内容のテンプレート」を作る
• 商談の流れを「1. 挨拶 → 2. ニーズ確認 → 3. 提案 → 4. 次のステップ確認」と構造化し、必要なポイントを事前に決めておく。
• リマインダー機能を徹底活用
• 「上司への報告」「クライアントへの返信」など、期日があるものはスマホやカレンダーアプリでリマインドを設定。
④ 時間管理が苦手でアポイントや締め切りを守れない
事例:
• 商談の時間にギリギリに到着、または遅刻してしまう。
• 提出物の締め切りを忘れ、上司に催促される。
克服の工夫:
• 移動は「バッファ時間」を含めてスケジュールする
• 「商談の30分前には現地到着」を目標にし、Googleマップなどで移動時間を確認。
• 締め切りを「前倒し設定」する
• 実際の締め切りより1日前に「仮締め切り」を設定し、そこまでに仕上げるようにする。
• 朝のうちに「1日のスケジュール」を確認する
• 「今日は何をする日か」を手帳やアプリでチェックし、全体の流れを把握する。
⑤ 自分のペースで仕事ができず、疲れやすい
事例:
• 頻繁にタスクを指示されると、頭がパンクしてしまう。
• 人と話すことが多く、1日が終わると極端に疲れてしまう。
克服の工夫:
• 自分の「集中できる時間帯」を知り、仕事を調整する
• 朝型なら午前中に難しい仕事を入れ、午後はルーチン業務を中心にする。
• 適度な休憩を挟み、エネルギーを管理する
• 1~2時間に1回は短時間の休憩を取り、無理に詰め込まない。
• 商談の合間に「一人時間」を確保する
• 移動時間や昼休みを使ってリラックスする時間を持つ。
まとめ
ADHDの特性を開示せずに営業職として働く場合、「忘れやすい」「マルチタスクが苦手」「時間管理が難しい」といった課題が出やすいですが、自分なりの工夫で乗り越えることが可能です。
特に、「可視化」「ツール活用」「ルーティン化」を意識すると、特性によるエラーを減らし、スムーズに仕事を覚えられます。