発達障害の方を学習塾で雇用する際、**WAIS(ウェクスラー成人知能検査)**の結果を活用して適性を判断する方法を説明します。学習塾では、指導力・事務作業・コミュニケーション能力などが求められるため、WAISの各指標をもとに、強みと課題を分析することが重要です。
WAISの指標ごとの評価と適性
➡ 文章の理解力・言語表現力・知識量を示す
得意な場合
語彙が豊富で、説明が分かりやすい
論理的に話すことができ、生徒に適切な指導ができる
国語や社会などの文系科目の指導に向いている
苦手な場合
言葉で説明することが苦手
長文の読解や記述式の問題に対応しにくい
説明が簡潔すぎる、または伝わりにくい可能性がある
活かし方
VCIが高い場合は講師としての適性が高い
低い場合は教材作成や事務作業を中心に担当
➡ 図やパターン認識、論理的思考を示す
得意な場合
数学・理科などの理系科目の指導に向いている
図表やグラフを使った説明が得意
生徒に視覚的な説明をするのが上手
苦手な場合
数学の文章題や論理的な説明が難しい
空間認識が苦手で図形問題の解説がしにくい
活かし方
PRIが高い場合は数学・理科の指導向き
低い場合は事務作業や国語の指導が向いている
➡ 短期記憶・作業の効率を示す
得意な場合
複数の情報を整理しながら教えられる
授業中の情報を素早く処理し、適切な指導ができる
苦手な場合
生徒からの質問を忘れやすい
授業の進行がスムーズでなくなる
板書しながら説明するのが難しい
活かし方
WMIが高い場合は臨機応変な対応ができるため、個別指導や集団指導向き
低い場合は**マニュアル化された業務(教材作成・採点)**に向いている
➡ 単純作業の速さや正確さを示す
得意な場合
採点や事務作業をスピーディーにこなせる
事務処理(教材の印刷・準備など)が得意
苦手な場合
作業が遅く、締切のある業務が苦手
教室の準備や片付けに時間がかかる
活かし方
PSIが高い場合は教材作成・採点業務に向いている
低い場合は時間に余裕をもった業務を担当させる
WAIS結果を活用した職務設計の例
VCIが高い➡ 国語・社会の講師向き
PRIが高い➡ 数学・理科の講師向き
WMIが高い➡ 個別指導や複数タスク対応が得意
PSIが高い➡ 採点・教材作成・事務作業向き
発達障害の方を学習塾で雇用する際は、強みを活かせる職務を設計し、苦手な業務を補う工夫をすることが重要です。