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自責型ADHDとは?

作成者: 佐々木創太|Feb 4, 2025 9:28:46 PM

はじめに

自責型ADHDとは、自責傾向のあるADHDの人が示す特徴や反応です。

ADHDの人は自己肯定感が低くなりやすい傾向があり、特に「自責傾向」が強い場合、日常生活や仕事においてさまざまな心理的な負担を抱えます。これは、過去の失敗経験や他者との比較、周囲の評価の影響を受けやすいためです。

以下に、自責傾向のあるADHDの人が示す特徴と具体的な反応を解説します。

1. 些細なミスを過剰に気にする


特徴
 • 小さなミスでも極端に落ち込む
 • 「またやってしまった…」「自分はダメな人間だ」と思い込む
 • 必要以上に謝罪する

具体例

✅ 仕事のメールで誤字をしてしまった場合
 • すぐに気づいて訂正できるレベルの誤字でも、「取引先にバカだと思われたかもしれない」と深刻に考える。
 • 何度も謝罪メールを送ろうとしてしまう。
 • 「こんなミスをするなんて、私は社会人失格だ」と自己否定につながる。

✅ 会議中に話を聞き漏らした場合
 • 「また集中できなかった…」と落ち込む。
 • 上司や同僚が何も気にしていなくても「怒られている気がする」と感じる。
 • 自分を責め続け、次回の会議が怖くなる。

2. 失敗を「自分のせい」と決めつける


特徴
 • 周囲の状況や環境要因を考えず、自分を責める
 • 他人のミスでも「自分のせいかもしれない」と思い込む
 • 自己弁護や言い訳をせず、すぐに謝る

具体例

✅ チームのプロジェクトが期限に間に合わなかった場合
 • 他のメンバーも遅れていたのに、「自分がもっと頑張れば間に合ったのでは…」と責任を感じる。
 • 自分の仕事は期限内に終わっていたとしても「もっとサポートすればよかった」と悔やむ。

✅ 友人や同僚が機嫌が悪いと感じた場合
 • 何もしていないのに「自分の発言が原因かも」と不安になる。
 • 直接関係のない出来事でも、「自分の行動が悪かったのかも」と考えてしまう。

3. 成功しても素直に喜べない(自己評価が低い)


特徴
 • 「今回はたまたまうまくいっただけ」と考える
 • 「次は失敗するかもしれない」と不安になる
 • 他者の評価を過度に気にする

具体例

✅ プレゼンが成功した場合
 • 聴衆から好評だったのに、「本当に良かったのか?」「たまたま聞き手が優しかっただけかも」と疑う。
 • 上司や同僚が褒めてくれても、「社交辞令だろう」と受け取ってしまう。

✅ 営業成績が良かった場合
 • 「今回は運が良かっただけ」と思い込み、自信につながらない。
 • 「次はダメかもしれない…」と不安になり、プレッシャーで動けなくなる。

4. 過去の失敗を何度も思い出してしまう(反芻思考)


特徴
 • 何年も前のミスを突然思い出して恥ずかしくなる
 • 眠る前や暇な時間に、過去の失敗を反芻する
 • 失敗がフラッシュバックし、ネガティブな気持ちに支配される

具体例

✅ 学生時代の失敗を今でも気にする
 • 10年前の授業中の発言ミスを突然思い出して「恥ずかしい…!」と悶絶する。
 • 誰も覚えていないような出来事を、まるで昨日のことのように思い出してしまう。

✅ 昨日の会話の内容を気にしすぎる
 • 何気なく言った一言が「相手を傷つけたかもしれない…」と翌日になっても不安になる。
 • 「あの時、こう言えばよかった」と考え続けてしまう。

5. 過度に完璧を求め、行動できなくなる(回避傾向)


特徴
 • 「完璧にできないならやらない方がマシ」と考える
 • 失敗を恐れるあまり、行動を先延ばしにする(先延ばし癖)
 • やるべきことが多すぎて、どこから手をつければいいかわからなくなる

具体例

✅ メールを送るのに異常に時間がかかる
 • 「誤字があったらどうしよう」と考えすぎて、何度も見直す。
 • たった数行のメールに30分以上かかることもある。

✅ 仕事や勉強の開始を先延ばしにする
 • 「ちゃんと準備しないと…」と思いすぎて、なかなか取りかかれない。
 • 「ミスしたらどうしよう」と考えてしまい、行動できなくなる。

まとめ:自責傾向のあるADHDの人に必要なサポート

✅ 失敗を過剰に責めない環境作り
 • 「ミスしても大丈夫」という雰囲気を作る。
 • ミスを指摘する際は、ポジティブな言い方を心がける。

✅ 成功体験を積ませる
 • 「うまくいった理由」を明確にし、自信を持たせる。
 • 小さな成功でも「よくできたね!」とフィードバックを与える。

✅ 反芻思考を減らすサポート
 • 過去の失敗を思い出してしまったら、「今できること」に意識を向けるよう促す。
 • 「過去の自分より成長している」と気づかせるような声かけをする。

✅ 行動を先延ばしにしない工夫
 • 「まずは5分だけやる」など、小さく始める習慣を作る。
 • 完璧を求めず、「とりあえずやってみる」マインドを育てる。

結論


自責傾向のあるADHDの人は、ミスや失敗を過剰に気にしやすく、行動が制限されることがあります。しかし、適切なサポートや環境を整えることで、自己肯定感を高め、ポジティブな行動を促すことができます。

このような特性を理解し、適切なフィードバックやサポートを行うことで、ADHDの人が自分の強みを活かしながら活躍できるようになります。