はじめに
建設会社が精神障害や発達障害のある方を雇用する場合、以下のような職種が適しています。具体的な配慮事項とともに、事例を交えて紹介します。
1. CADオペレーター（設計補助）
適性のある障害特性
• ASD（自閉スペクトラム症）の方など、細かい作業が得意な人
• 精神障害の方で、集中力が高く、ルーチンワークが得意な人
配慮事項
• 明確な業務指示（口頭よりも文書やチェックリストの活用）
• ノイズの少ない作業環境（個室やパーテーションの設置）
• 休憩時間や勤務時間の柔軟な調整
事例
ある建設会社では、CADオペレーターとしてASDの方を雇用。指示が曖昧だと混乱するため、設計士が具体的な指示書を作成する仕組みを導入。結果的に設計精度が向上し、定着率も向上した。
2. 施工管理補助（現場写真撮影・書類整理）
適性のある障害特性
• 発達障害（ADHD）の方で、動きがある仕事が得意な人
• 精神障害の方で、規則正しい業務が可能な人
配慮事項
• 優先順位を明確にし、スケジュール管理をサポート
• 口頭指示よりも、タスク管理アプリやリストの活用
• 作業工程の振り返りとフィードバックを定期的に実施
事例
建設会社でADHDの方が施工管理補助として勤務。書類整理が苦手だったため、タスク管理ツールを活用し、1日のスケジュールを細かく設定。写真撮影や現場確認の業務に集中できるようになり、評価が向上。
3. 工場や倉庫での資材管理・ピッキング
適性のある障害特性
• ASDの方で、同じ作業を繰り返すのが得意な人
• 精神障害の方で、屋内作業が向いている人
配慮事項
• 作業の見える化（マニュアル化や色分けなど）
• 過集中を防ぐための適度な休憩の導入
• コミュニケーション負荷を減らすため、単独作業も選択肢に
事例
建設資材を扱う会社で、ASDの方が倉庫内の資材管理を担当。作業手順を写真付きのマニュアルにすることで業務習得がスムーズになり、正確な管理ができるように。
4. 事務職（データ入力・発注業務）
適性のある障害特性
• ASDの方で、細かい入力作業が得意な人
• 精神障害の方で、一定のリズムで作業できる人
配慮事項
• ミスを防ぐためのダブルチェック体制
• 休憩を適宜取れる環境づくり
• チームでのサポート体制（1人に業務を集中させない）
事例
ある建設会社の経理部門で、精神障害の方が発注データの入力を担当。作業を細分化し、休憩を適宜取れるよう配慮したことで、継続的に業務を遂行できるようになった。
まとめ
建設業では、CADオペレーター、施工管理補助、資材管理、事務職など、特性に合わせた職種を用意することで、精神障害・発達障害の方も能力を発揮しやすくなります。業務の見える化、環境調整、柔軟な働き方の導入が、長期的な雇用維持につながるポイントです。