発達障害の薬は、「症状そのものを治す」ものではなく、「特定の困りごと(特性)」を軽減したり、日常生活をスムーズにするために使われます。以下に、主に使われる薬の種類と、それぞれがどんな特性に効きやすいかをまとめます。
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【中枢神経刺激薬】
■ コンサータ(メチルフェニデート)
• 効く特性:不注意、多動性、衝動性
• 効果:集中力アップ、頭がスッキリする感じ、やる気の向上
• 特徴:効果がはっきり感じられることが多い。服薬中は運転や危険作業に注意が必要。
■ ビバンセ(リスデキサンフェタミン)
• 効く特性:不注意、多動性、衝動性
• 効果:コンサータと似た作用で、より長時間効果が続く。
• 特徴:朝飲んで1日中効く。食欲減退や睡眠への影響が出ることも。
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【非刺激薬】
■ ストラテラ(アトモキセチン)
• 効く特性:不注意、衝動性
• 効果:集中しやすくなる、ミスが減る
• 特徴:効果はゆっくり現れる。刺激薬より副作用が穏やか。眠気や吐き気が出ることがある。
■ インチュニブ(グアンファシン)
• 効く特性:衝動性、多動性、不安、不眠
• 効果:落ち着きが出る、眠りやすくなる
• 特徴:副作用が少なめで、小児や不安傾向が強い人にも処方されやすい。
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ASDに特化した薬は日本には少ないですが、二次的な困りごとに対して以下のような薬が処方されることがあります。
■ 抗うつ薬(SSRIなど)
• 効く特性:こだわりの強さ、イライラ、気分の落ち込み、不安
• 例:ルボックス、パキシル、レクサプロ など
■ 抗精神病薬(ごく少量)
• 効く特性:強い不安、パニック、激しい気分の上下
• 例:リスペリドン、エビリファイ など
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発達障害の人には、うつ病、不安障害、睡眠障害などが併発しやすいため、それに応じて以下の薬も処方されることがあります。
• 睡眠薬(マイスリー、ロゼレム、ベルソムラなど)
• 抗不安薬(ソラナックス、リーゼなど)
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• 効き方には個人差が大きい
• 副作用(食欲不振、不眠、気分の変動など)もありえる
• 薬だけでなく、環境調整やカウンセリングと併用するのが効果的
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もしご自身やスタッフに薬の導入を検討しているケースであれば、医師との連携や副作用リスクの確認も大切です。気になる薬があれば、もっと詳しく説明しますよ。