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発達障がいの基本情報⑵~上手な関わり方

作成者: 佐々木創太|Dec 3, 2024 11:50:57 AM

 

前回の記事「発達障がいの基本情報⑴」でも触れましたが、

大人の発達障がいの約6割が特性を自覚しながらも、一般企業で就労しています。

皆さんの職場でもこのような特徴の社員さんがいらっしゃるのではないでしょうか?


(ADHD)

・ケアレスミスや忘れ物が多い・よく遅刻する・話が上の空になる・「わかりました」と言ったのに分かってない・よく物を無くす

・ものの扱いが雑・身嗜みが乱れている・ソワソワして離席が多い・思いついたらすぐに行動してしまう

・嘘や誤魔化しでその場しのぎをしようとする

(ASD)

・いつも独りで居る・表情が薄い・誰も興味ない話を延々とし続ける・言い方がきつい・メールの文面が攻撃的・拘りが強い

・飲み会等イベントにはほとんど来ない・一度集中すると周りの声が聞こえなくなる・行動が遅い・融通が利かない

・臨機応変できない


発達障がいに関わったことない方にとっては得体のしれないものかもしれません。

特に管理職の皆さんは、業務上で度々発生するエラーによって、ストレスをお持ちではないでしょうか。

結論から言うとこれらのエラーへの完全な予防措置は有りません。

しかし、特性を正しく理解する事で、今までよりも格段に関わりやすくなります。

そこで今回は、発達障がい(グレーゾーン、無自覚者含む)との上手な関わり方のポイントをお伝えします。

前回の投稿で述べた通り、発達障がいは人格や性格の障がいではなく、脳の機能不全の障がいです。
機能不全に陥っている箇所や重篤度は人によって多少異なりますが、多くの場合、前頭葉前頭前野(おでこのあたり)です。
前頭葉前頭前野では、神経と神経の間をドーパミンやセロトニンが分泌され、吸収される事でノルアドレナリン等の物質が生成され、やる気や集中力を自分の意思でコントロールする機能を果たしますが、

発達障がいは、神経が未発達の為、ドーパミンやセロトニンを放出するが吸収されない状態にあります。喩えるなら、素手でキャッチボールをしているような状況です。
放出された伝達物質は元の神経に戻って行きますが、機能不全の状態に陥ります。

自分ではやる気を出さないと行けない、集中しないと行けないと思っているのに違う事を考えてしまったり、好きな事や興味がある事が優先順位の上位に来てしまうのはその為です。

自分で動機づけが出来ないからパフォーマンスが下がるのですが、
言い換えると、動機づけや報酬を与えればパフォーマンスは上がります。

前談長くなりましたが、企業の管理職の方々に実践して頂きたい基本的な関わり方を3点ご紹介します。


⑴動機づけで仕事を憶えさせる

仕事を覚える際は、
・成り立ち
・何故必要なのか
・完遂する事でどのように役立てるのか
を伝えると、点と点が線で繋がり、理解度が深まります。

「それはそんなもんだから」「とりあえず言われた事だけやってれば良いから」と言いたいよころですが、『なぜ』を知る事で、業務のモチベーションに繋がり、理解度も深まり、探究心や主体性が芽生えます。


⑵ 出来た事を褒める。「ありがとう」と伝える。

脳の報酬系が機能させる分かり易い方法の一つが承認です。今のは良い仕事でした。あなたのおかげで助かっています。のような言葉で承認したり、「ありがとう」を言葉で直接伝えてみて下さい。発達障がいは自己肯定感が低いのもあり、承認や賞賛には良い反応を示します。ドーパミンの循環を促し、やる気や集中力も高まります。

⑶フィードバックはなるべく直ぐ伝える

良かった事は良かった。
ダメだった事は何故?を添えて丁寧に且つ速やかにフィードバックする事がポイントです。

上司の顔色が悪いまま、勘ぐったり、ぎこちない空気感になると、被害妄想を抱いてしまう恐れがあります。
「これぐらい言わなくても分かってくれ」と言いたくもなりますが、そこは払うべきコストだと思って下さい。
ダメだった時は、出来ている所、貢献している所も同時に伝えて承認してあげましょう。

 

以上が関わり方で重要なポイントになります。

次回はミス・忘れを防止するより実践的な対策についてご紹介いたします。