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発達障がいの基本情報⑴~発達障がいとは

作成者: 佐々木創太|Dec 2, 2024 12:53:14 PM

発達障害ってなに?

発達障害にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。以下に主な種類とその特徴を詳しく説明します。

1. 自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)

自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症を含む広範な障害。

特徴

 • 社会的相互作用の困難
他人の気持ちや暗黙のルールを理解することが難しい。会話やアイコンタクトが苦手な場合が多い。
 • 興味や活動の限定
特定の物事に強いこだわりや興味を持つことがある。パターン化された行動やルーティンを好む。
 • 感覚過敏または鈍感
光、音、触覚などに敏感または鈍感な場合がある。


2. 注意欠陥・多動性障害(ADHD: Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

不注意、多動性、衝動性が特徴的。

特徴

 • 不注意
集中力が続かない、忘れ物が多い、細部に注意を払えない。
 • 多動性
じっと座っていられない、体を動かし続ける。
 • 衝動性
考えずに行動する、順番を待てない、他人の会話を遮る。



3. 学習障害(LD: Learning Disabilities)

読む、書く、計算するといった特定の能力に困難を抱える。

特徴

 • 読字障害(ディスレクシア)
読むのが遅い、文字を正しく認識できない。
 • 書字表現障害(ディスグラフィア)
書くことが苦手、字が極端に崩れる。
 • 算数障害(ディスカリキュリア)
数字や計算、時間の概念が理解しにくい。

※ほとんどの当事者が特性併発しています。

 

発達障害者の人口は?


日本において発達障害を抱える成人の正確な人数は明示されていませんが、厚生労働省の推計では、人口の約3~4%が発達障害(自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害など)に該当する可能性があります。この数値から、国内で数百万人規模に達すると考えられています。近年、発達障害の認知度が向上し、診断されるケースも増加しています。

 

発達障害の原因は?

完全には解明されていませんが、主に以下のような生物学的要因と環境的要因が関係していると考えられています。

1. 生物学的要因(遺伝的要因が中心)

 • 遺伝的要因
発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)は、遺伝的な影響が強いとされています。家族内に同じ特性を持つ人がいる場合、発症リスクが高くなることが確認されています。ただし、特定の遺伝子が単独で発達障害を引き起こすわけではなく、複数の遺伝子の組み合わせが関係していると考えられます。
 • 脳の機能異常
発達障害は、脳内の情報処理や神経伝達物質の異常が関与している可能性があります。特に以下の領域が関係していると考えられます:
 • 自閉スペクトラム症(ASD): 社会的認知やコミュニケーションに関わる脳領域(前頭前野や側頭葉など)の発達の違い。
 • ADHD: 注意制御に関わる前頭前野の機能やドーパミンの調節異常。

2. 環境的要因

遺伝的な要因に加えて、環境的要因が発症や症状の重さに影響を与える場合があります。
 • 妊娠中の母体環境
妊娠中の感染症、喫煙、アルコール摂取、栄養不足、ストレスなどが胎児の脳の発達に影響を与える可能性があります。
 • 出産時の影響
低出生体重児や早産など、出生時の要因が関与している場合があります。
 • 出生後の環境
養育環境やストレスなどが発症リスクに影響を与える可能性がありますが、これが直接の原因になるわけではなく、遺伝的要因と相互に作用することが多いとされています。

 

就労状況は?

診断受けている人の半数以上が特性をクローズドにして一般就労で働いています。

57% 一般企業で特性をクローズド(会社に内緒にして)働いている

10%  一般企業の障がい者雇用枠で働いている

6%   障がい者就労支援事業所(A,B,移行)に通所している

27% 家に引きこもっている

※ 2024年8月 弊社登録人材597名に実施したアンケートによる統計

 

 

どんな仕事に向いてる?

ASD:同じことを繰り返す。精度にこだわる。

・ものつくり(研究、製造、品質管理)

・事務職(経理事務)

・清掃(ハウスクリーニング、ホテルの清掃)etc

ADHD:行動力を活かす。

・販路開拓営業(テレアポ、飛び込み、マーケティング)

・介護(ヘルパー)etc

LD:感性や対話を生かす

・接客業(飲食、観光)

・運転手、配達員

 

障がい者雇用枠に入る?

結論:入ります。

精神障がい者保健福祉手帳を持っていれば障がい者雇用のカウントになります。

 

まとめ

発達障害はサポートにおける課題はありますが、適材適所、理解促進、環境設定、業務配分の適正化によって、今後十分戦力になり得る障がいカテゴリーです。個々人の適性を見極め、企業の生産性に生かす事が出来れば、障がい者雇用枠の充足のみならず、企業の人手不足の解消にも寄与するでしょう。