双極性障害を持つ方を新規開拓の営業職として障害者雇用する際、会社が行うべき合理的配慮は、以下のような施策が考えられます。
双極性障害の特性上、**躁状態(活動的になりすぎる)と抑うつ状態(意欲が低下する)**の波があるため、業務の柔軟性が必要です。
• 短期的な成果ノルマではなく、月・四半期単位の目標設定にする
• 体調の変化に合わせて業務量を調整できる仕組みを作る
• 突発的に体調を崩した際のフォロー体制を整備(チーム内でのカバー体制)
• 体調が優れない日は在宅勤務可、始業時間を調整できるようにする
• 「〇時〜〇時の間で勤務」など、柔軟な勤務形態を取り入れる
• 日々の予定を見える化し、調整しやすくする(カレンダー共有、ToDoリスト活用)
• 体調の波があるため、「この日は負荷の高い業務」「この日は軽めの業務」といった調整を可能にする
双極性障害の躁状態では過信しすぎたり、リスクのある決断をしがちなため、慎重な業務運営が求められます。
• 重要な契約・決定は、上司の承認を必須にする
• 「極端な値引き」「過大な約束」などを防ぐため、提案内容を共有する仕組みを作る
• 1人で判断せず、チームや上司と相談して決める体制を作る
• 週1回のミーティングで進捗確認し、方向性を適宜調整
• 「気分記録アプリ」「体調管理ノート」を活用し、本人が調子を把握できるようにする
• 体調が悪化しそうなサイン(睡眠不足、疲労など)を把握し、早めに対応する
双極性障害はストレス管理が重要なため、働きやすい環境を整えることが求められます。
• 上司や人事が月1回、体調や業務負荷について面談を実施
• 必要に応じて、主治医・産業医と相談しながら対応策を決定
• 「体調の波があること」を上司や同僚が理解し、適切に配慮できるよう事前説明
• 誰でも相談しやすい環境を整え、体調が悪いときに無理を言えない雰囲気を作らない
• 適度な休憩を取れる仕組み(例:1時間に5〜10分の休憩)
• リフレッシュできる場所を確保(可能なら静かな休憩スペース)
双極性障害は気分の波が大きく、急な体調変化が起こる可能性があるため、事前に対策を決めておくことが重要です。
• 本人が調子を崩した際、誰に相談するか明確にする(例:上司・人事・産業医)
• 「早退・休職の判断基準」を決めておく(例:〇日以上の抑うつ状態が続いた場合は医師と相談)
• 「無理せず休める」ことを会社として保証する
• 必要なら業務内容を一時的に調整(軽い業務へのシフトなど)
双極性障害を持つ営業社員に対して、合理的配慮として**「柔軟な業務調整」「衝動的な行動を防ぐ仕組み」「メンタルヘルスサポート」「緊急対応の準備」**を整えることが重要です。
このような体制を整えることで、本人の能力を最大限に発揮しつつ、企業側もリスクを抑えて雇用を安定させることができます。