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ADHDを新規採用する際のポイント

作成者: 佐々木創太|Dec 22, 2024 4:14:29 PM

はじめに

ADHDの方を営業職として雇用する際、特性が業務に適応できるかどうかを見極めるためには、以下のようなツールや判断材料、効果的な質問の仕方を活用すると良いでしょう。

1. 判断材料
 
(1) 社会性の評価

営業職には対人スキルが求められます。ADHDの方には社交性が高い方も多いですが、特性によりコミュニケーションが一方的になることもあります。
 • 観察ポイント:
 • 初対面での挨拶や自己紹介のスムーズさ
 • 他者の話を聞く姿勢
 • 笑顔や視線などの非言語的コミュニケーション

(2) 攻撃性の評価

ADHDの衝動性がある場合、感情がコントロールできないケースもあります。
 • 観察ポイント:
 • 反論や不満を表現する際の言葉遣いや態度
 • 試験的なロールプレイングでの顧客対応の様子

(3) 他責的か否か

責任転嫁する傾向があると、営業職におけるトラブル対応が難しくなります。
 • 観察ポイント:
 • 過去の失敗について尋ねた際の答え方
 • 物事の原因を自分の行動で捉えているか

2. 効果的な質問の仕方
 
(1) 社会性を確認する質問
 • 「初対面の人と接する際、どのようにして関係を築いていますか?」
→ 相手のニーズに関心を持って行動できるかを見る。
 • 「以前にチームで働いた経験がありますか?その時、どのように他のメンバーと協力しましたか?」
→ 協調性やコミュニケーション能力を確認する。

(2) 攻撃性を確認する質問
 • 「困難な状況で、感情的にならず冷静に対処できたエピソードを教えてください。」
→ 問題解決力や感情コントロールの能力を探る。
 • 「顧客や同僚に強い意見を言われた場合、どのように対応しますか?」
→ 批判やストレスへの反応を評価する。

(3) 他責的か否かを確認する質問
 • 「過去に何かミスをした経験がありますか?それをどのように改善しましたか?」
→ 自己責任の意識や問題解決への姿勢を確認。
 • 「目標を達成できなかった時、主な理由は何だと思いますか?」
→ 他責的か自己反省型かを判断する。

3. ツールの活用
 
(1) 行動観察ツール
 • ロールプレイング
顧客対応やプレゼンテーションのシミュレーションを行い、その際の態度や対応力を観察。
 • グループディスカッション
他者との関わり方や意見の発信力を評価。

(2) 適性検査
 • 性格検査(例: Big Five、MBTI、スカウター、ミキワメ)
社会性や感情コントロール力、責任感を測定できる。
 • 面接支援AIツール
発話内容や非言語的な行動を分析するツールを活用して、評価の客観性を高める。

4. 事例

事例1: IT企業の営業部門
 • 採用経緯: ADHDの方が特に得意とする「エネルギッシュなプレゼン力」に注目し、ロールプレイングを実施。顧客対応の柔軟性を確認。
 • 成果: 顧客ニーズへの迅速な対応と独創的な提案で、大口契約を獲得。

事例2: 不動産業界
 • 採用経緯: 過去の失敗から改善した経験を評価。他責ではなく、自身の行動を見直す姿勢が確認できたため採用。
 • 成果: 契約後のフォローアップに積極的に取り組み、顧客満足度を向上。

5. 面接の注意点
 • ADHD特性を持つ人に対しては、特性が課題とならない場面(エネルギッシュさ、発想力)を引き出す質問を重視。
 • 「困難な状況にどう対応するか」という実例ベースの質問を多く用い、特性が職務に適応できるかを具体的に見極める。

これらを実施することで、営業職に適性のあるADHDの方を見極め、適切に雇用することができます。